多くのBtoB企業が抱えている課題
BtoBにおいて、見込み客は複数の媒体で情報を収集し、それらを比較した上で購入という最終判断を下します。展示会場へ足を運んだ際に初めて商品の存在を認識し、Webサイトでさまざまな情報を入手してから購入に至るというケースは珍しいものではありません。そのため、BtoB企業ではさまざまなメディア、ツールを用いてマーケティングの施策を展開していく必要があるのです。
ただ、そのような中で多くのBtoB企業が陥りがちな問題として、「どの施策にお金をかければ良いのかを明確に把握できていないこと」が挙げられます。自社サイトでの宣伝や紙媒体でのパンフレット配布、セミナー開催など、数多くのマーケティング施策が存在するからです。
また、これらの施策を「マーケティング部門」「営業部門」といった部門ごとやプロジェクトごとに細かく管理している企業も少なくありません。このような管理体制では、どの施策にどれくらいの投資を行えば費用対効果を高められるのかを把握するのが難しくなってしまいます。
さらにマーケティング施策によって得た情報をスムーズに共有できていないという課題を抱えている企業も少なくありません。たとえば、
PDCAサイクルの最適化によってマーケティング施策全体を見直していくことが重要なのです。
ここからは、PDCAサイクルのプロセスやメリットなどを詳しく見ていきましょう。
施策において重要となるPDCAサイクル
PDCAは、さまざまな企業で採用されているセルフマネジメントメソッドであり、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の頭文字をとったものになります。「計画→実行→評価→改善」といったサイクルを繰り返し行うことにより、継続的に業務の改善を進めることができるわけです。基本的に、Action(改善)の後は再び最初のステップであるPlan(計画)に戻り循環していく流れのため、「PDCAサイクル」といった呼ばれ方をすることもあります。
では、PDCAサイクルの各プロセスではどのような作業を行うべきなのでしょうか。それぞれのプロセスについて、より詳しくみていきましょう。
1.Plan(計画)
この段階では、主に「目標の設定」を行います。また、目標を達成するためにどのような行動を起こすべきか明確化する「アクションプラン」も同時に設定するのが一般的です。このアクションプランを作成する際には、次の5W2Hの要素を意識して検討していきます。
・誰が(Who)
・いつ(When)
・どこで(Where)
・何を(What)
・なぜ(Why)
・どのように(How)
・いくらで(How much)
目標やアクションプランの設定は、PDCAサイクルにおける「スタート地点」といえるものです。非常に重要なポイントになりますので、数字で確認できる指標を利用して分かりやすいアクションプランを設定することが重要になるでしょう。
2.Do(実行)
この段階では、前のプロセスで計画したものを実行に移していきます。ただし、この段階で行うのは「計画に沿って業務を遂行すること」だけではありません。実行と同時に「より良い方法はないか」を検証していく必要もあるからです。
次の「Check(評価)」の段階で適切な評価を行えるようにするためにも、目標に対しての進捗度や結果などを随時記録していくことが重要になるでしょう。
3.Check(評価)
この段階では、Plan(計画)の段階で設定した目標やアクションプランを達成することができているかどうか評価します。もし、計画通りに進めることができなかった場合には、その原因の分析を行わなくてはなりません。
ただ、計画取りに進めることができた場合でも、成功の要因を追及する必要がありますので、Plan(計画)の段階で立てた目標数値との比較作業が重要になるでしょう。
4.Action(改善)
この段階では、Check(評価)の段階で行った分析・検証結果をもとに、改善すべき点を洗い出していきます。改善点を考える際は、多くの選択肢を持つことが重要になるため、「引き続き計画通り進めていく」「いくつかの業務を改善していく」「計画を中止(延期)する」といった選択肢を持った上で課題を検討していくことが大切になるでしょう。
このようなプロセスによってPDCAサイクルを回していくことにより、さまざまなメリットが生まれ始めます。特に大きなメリットとしては「やるべきことを明確にできる」ということです。
限られた時間の中で計画を進めていくためには、業務効率の向上が必要不可欠です。計画に携わるメンバー全員が「いま何をするべきなのか」を共有できていなければ、効率的に計画を進めていくことはできません。その共通認識を明確にできるという点は、PDCAサイクルの大きな魅力といえるのではないでしょうか。
マーケティング施策を可視化する「サイト集客マップ」
マーケティング施策の課題を可視化する方法は、PDCAサイクルだけではありません。「サイト集客マップ」という、シンプルなマップを関係者全員で作成する方法でも課題を可視化することができます。
マーケティング施策においてよくある課題として、「SNS運用の効果を実感できていない」「ブログ更新の目的が曖昧になっている」「何から着手すれば良いかわからない」といったものがありますが、こういった問題の本質的な原因は「施策の全体像が見えていないこと」にあるわけです。だからこそ、まずは施策全体を関係者全員で共有していくことが大切になります。
たとえば、Webサイトの集客に問題を抱えている企業であれば、関係者全員で「集客マップ」を作成していくことで、問題が発生している箇所を明確化しやすくなります。このときの具体的なマップの作成方法としては、ユーザーの層を「知っている層」「知らない層」「ファン層」といったかたちで分類し、それぞれのユーザー層の入り口と出口を設計して図式化します。
最近であれば、雑誌、テレビ、Twitter、インスタグラム、ブログなど、さまざまな入り口が想定できるため、ユーザー層ごとの「入り口」を明確にし、最終的に達成してほしい「ゴール」を出口設計として明確にします。それによってこれまで以上にユーザーの流れを明確に把握することが可能になります。
もちろん、これらの作業においてもPDCAサイクルを回すことはできますので、継続的なPDCAサイクルの一環として「サイト集客マップ」の活用も有効な手段といえるのではないでしょうか。
まとめ
今回は、BtoBマーケティング施策の課題を可視化する上で重要となる「PDCAサイクル」や「サイト集客マップ」の使い方やメリットなどをご紹介しました。マーケティング施策を成功に導くためには、常に課題を明確化しておくことが重要であることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
Webサイトの運営をはじめとしたマーケティングに取り組んでいく場合は、関係者全員で目的や課題をしっかりと共有しあうことが重要になります。しかし、他の業務も多く抱えている企業の場合には、Webサイト運営の肝ともいえるコンテンツ制作に力を注ぐのが難しいケースもあるでしょう。そのような場合には、専門知識を有する企業に依頼するのも手段として有効です。
当社が提供しているコンテンツマネジメントサービスでは、ホームページの分析やWebページ制作、そして販促活動などをご依頼いただくことが可能です。そのほかにも、カタログ制作や導入事例制作、マンガ制作、オウンドメディア運用など、多様なサービスを提供させていただいておりますので、BtoBマーケティング施策についてお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。
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