そもそも何のためのドキュメントなのか?
ドキュメントを作成するそもそもの目的は何でしょうか?
・依頼された案件への見積書
・大人数、多額の予算が動くプロジェクトの提案書
・発生したトラブルの経緯報告書
など…
そういった「書面」でなくとも、
・進行している案件についてのクライアントとの日々のメール
だって立派なビジネスドキュメントです。
そして、すべてのドキュメントには共通した目的があります。
それは「文章によって人を動かす」ということです。
●ビジネスメール
・相手に誤解とストレスを与えず、正確かつ簡潔に要件を伝え、スムーズにやりとりする
●見積書
・相手にわかりやすく前提と工程を伝え、費用の妥当性を納得してもらう
●提案書
・課題(要件)と解決策、なぜ当社か?を理解してもらい、発注を促す
●経緯報告書
・謝意と共に、正確な発生経緯と要因(事実)、再発防止策を伝える
など、それぞれ目的は異なるにせよ、なぜドキュメンテーションするのか?というと
誤解を生まず、正しく伝え、エビデンス(証拠)として残すためであり、それによって相手に対して行動を促す ための行動です。
ですので、ビジネスにおいて使用されるドキュメントは徹底して
が、とにかく重要です!
●基本的だが致命的な「誤字・脱字」を防ぐ5つの工夫
”誤字・脱字の数だけ信用を失う”と言われます。
誤解を生む、という点でも問題ですが、なにより失礼にあたり、その人(企業)のビジネスに関するクオリティを疑われてしまいます。
文章の上手、下手、というのはなかなか改善しにくいものですが、誤字・脱字は工夫することで解消できます。
◆工夫1)そもそもの原因を防止する
ほとんどの原因は、「タイプミス」と「誤変換」です。
同じPCを使用していても誤字・脱字の多い人と、ほとんどない人がいますので、大きな要因としては「タイプ時のクセ」と「確認不足」ということになります。
「タイプ時のクセ」は本人にしかわからないことですので、自分がどういうタイプ時に誤字・脱字をしているのかを把握し、改善しましょう。
せっかちで慌ててタイプする人は、一呼吸おいてしっかりタイプするだけで、かなり改善します。
(それが難しいのですが)
◆工夫2)自分の文章を疑ってかかる
誤字・脱字の多い人は、思い込みが激しい人とも言えます。
チェックはしていても見落とすのは「まぁ大丈夫だろう」とチェックしているので、気が付かないのです。
こんちには みさなん おんげきですか? わしたはげんきです。
ネットでよく話題になる”タイポグリセミア現象”といわれる”何故かちゃんと読めてしまう文章”。
人間の脳は高性能なため、間違いがあっても勝手に補完してくれるのです。
特に「て・に・を・は」などの助詞のヌケなどは要注意です。
ですので、”自分の誤字・脱字を見つけるのは容易ではない”という前提で、一字一句、指さし確認する、声に出して確認する、くらいの気構えが必要です。
◆工夫3)出力して確認する
不思議なもので画面で見落としていた誤字・脱字も、プリントアウトした途端に気が付くという事があります。
印刷の仕事をしていると、PDFであれだけ確認していたのに、印刷物が完成した途端に発見して血の気が引く、というのは一度や二度ではありません。
アナログでコストと手間がかかる方法ですが、非常に有効な工夫です。
◆工夫4)ほかの人の目を借りる
上記のように、自分が書いた文章はなかなか誤字・脱字に気が付かないものですので、一番確実なのは第三者に読んで指摘してもらう事です。
弊社ではプロのコピーライターが書いた文章でも、納品・印刷前にプロの文字校正者による「校正チェック」を義務付けています。
社内ものではなかなかそうはいきませんが、可能であれば社内でもよいので第三者に読んでもらいましょう。
◆工夫5)ツールを活用する
上記の方法がなかなか実行できない人は、ツールを使うというやり方をオススメします。
①Microsoft Wordの校正機能
作成した文書を貼り付けて[F7]キーを押せば、簡単な日本語のミスについて指摘してくれます。
②プレスリリース校正ツール – ValuePress!
https://www.value-press.com/proofreader
無料で会員登録なしで利用できます。
Yahoo! JAPAN提供のテキスト解析Web APIを利用しているほか、日本新聞協会の「新聞用語集」、弊社も文字校正の基本ルールとして活用している共同通信社の「記者ハンドブック」を参考にしており、以下のような表現の間違い、不適切表現についても指摘してくれるそうです。
誤変換(人事移動→人事異動)
誤用(煙に巻く→けむに巻く)
ら抜き言葉(見れる→見られる)
使用注意(外人→外国人)
不快語(がんをつける→にらむ)
固有名詞(ヤフー→Yahoo!)
機種依存文字
表外漢字
商標
外国地名(モルディブ→モルジブ)
人名(ベートーヴェン→ベートーベン)
※新聞や文科省指定教科書では「ベートーベン」
さらには助詞不足から冗長表現(「各企業ごと」など)も警告してくれるみたいで、
とても便利です。
<コラム>文字校正のお仕事
世の中には「校正:文章の悪い点を見つけて正すこと」を専門に行なう「校正者」というお仕事があります。
校正においてチェックされる項目は多岐にわたりますが、
・誤字脱字、日本語の誤り
・固有名詞、情報の誤り
・表記揺れ、表記ルール
・注意すべき表現、特に事実関係の確認が必要なもの
・避けたほうがいい言葉
・Webで表記する場合の問題
・英数字、記号(「」や<>など)、空白(スペース)の半角、全角チェック
・ナカグロ(・)や、,などの統一チェック
など、
「送り仮名」「スペルミス」「漢字の用法」などの”誤りを指摘”する事はもちろん、
”表記揺れ”といわれる「同一文章内での用事用語の不統一(ユーザーなのかユーザなのか、お客様なのかお客さまなのか、など)」
「文体の統一(だ、である調なのかです、ます調なのか、など)」、
「固有名詞(氏名や社名、製品名など)」、「URL」が間違いがないか、
「差別的表現」「アダルト表現」、
また「No.1表記」や「出典明記」など、広告上の注意点についても指摘します。
企業独自のルールが存在する場合はそれに準拠させ、
特に独自規定がない場合は一般的な規定(例:共同通信社「記者ハンドブック」など)に従って確認します。
プレスリリース、パンフレットをはじめ公的に発表するドキュメントについては、
しっかり専門家の校正をかけることをお勧めします。
*「校正」と似た業務として「推敲」があります。
推敲は「文章をより良いものにする作業」で、また別の専門家が存在します。
いかがでしょうか。
毎日のように行うビジネス・ドキュメンテーションにおいて、ささいなミスで信用を失うのは非常にもったいない事です。
「文章力を上げる」のは一朝一夕にはいきませんが、
”誤字・脱字の撲滅”は心がけと工夫次第ですぐに実現できます。
ぜひ、試してみてください!
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