インバウンドマーケティングとは
インバウンドマーケティングとは、消費者との信頼構築を前提に、価値のあるコンテンツによって集客や購買へと繋げていく手法のことです。たとえば、ブログやホワイトペーパー、ニュースリリース、動画コンテンツなどをWeb上に公開し、GoogleやYahoo!といった検索エンジンを介したリード(見込み顧客)の獲得を目指していくのが一般的です。また、以前はBtoCのマーケティングに多く活用されていた、TwitterやFacebook、さらにはInstagramなどのソーシャルメディア(SNS)をBtoBのマーケティングでも活用するケースも少なくありません。これらインバウンドマーケティングには、次の5つのステージが存在します。
- ブログやWebサイト等を介した情報提供によって訪問者を増加させる
- ブログやWebサイト等への訪問者を見込み顧客にしていく
- 見込み顧客に自社の商品(サービス)を購入してもらう
- 購入に至った人(企業)をリピーターに育てていく
- 改善点の分析を行う
上記において最も重要なステップは、1つ目のステップである「情報提供によって訪問者を増加させる」といえます。何かしらの商品(サービス)を購入する前に、インターネットから情報を収集するという行動が当たり前になりつつあるからです。
だからこそ、Webサイトやブログなどに訪れたユーザーに対して適切なコンテンツを提供し、自社の商品(サービス)に興味を持ってもらうための「きっかけ」を作り出していくことが重要なのです。
インバウンドマーケティングとアウトバウンドマーケティングの違い
冒頭でも少しご紹介したアウトバウンドマーケティングとは、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。また、インバウンドマーケティングが主流になりつつあるのはなぜなのでしょうか。
まず、インバウンドマーケティングとアウトバウンドマーケティングの大きな違いとしては、「リードに対して商品を売り込むかどうか」という点が挙げられます。この点において、インバウンドマーケティングの場合は、基本的にWebサイトやブログなどを介して価値のあるコンテンツを提供し、「自社商品(サービス)を認知してもらうこと」が主な目標です。
一方のアウトバウンドマーケティングは、初めから「商品の売り込み」が目的であるため、インバウンドマーケティングのように「認知してもらうこと」にはフォーカスしない場合がほとんどでしょう。そのため、アウトバウンドマーケティングは、「売り付けられている」などといった悪い印象を抱かれてしまうケースも少なくないでしょう。
実際、自宅に訪問販売のセールスマンが訪れたり、セールスの電話が急にかかってきたりしたときに、不快な思いをしたという経験がある方も多いのではないでしょうか。それはまさに、アウトバウンドマーケティングの負の側面といえるわけです。
その点、インバウンドマーケティングは初めから商品を売りつけるわけではなく、まずは価値のある情報提供によって、ユーザーの疑問や悩みを解消していくことにフォーカスします。その情報提供によって、ユーザーとの信頼関係を構築していくことを目的としているため、いきなり商品の売り込みを行うアウトバウンドマーケティングのように、ユーザーに不快感を与えてしまう心配も少ないでしょう。
BtoB企業におけるインバウンドマーケティング施策のメリット・デメリット
BtoB企業がインバウンドマーケティング施策を取り入れていく場合には具体的にどのようなメリット・デメリットがあるのかを見ていきましょう。主なメリット・デメリットとしては次のような点が挙げられます。
メリット1:広告宣伝費用を削減できる
インバウンドマーケティングでは、Webサイトやブログといった自社メディアで情報を発信していくため、テレビや新聞、雑誌などのマスメディアに広告宣伝費用を支払う必要がありません。また、コンテンツは資産化されていくため、高い費用対効果も期待できます。
メリット2:顧客に嫌われない
インターネットが普及した昨今は、売り手も買い手も情報過多の時代といえます。オフィスにセールスの電話がかかってきたり、問い合わせフォームから宣伝メールが送られてきたりすることが多々あるため、その売り込みの多さにストレスを感じている企業も多いでしょう。その点、インバウンドマーケティングは、ユーザーが必要とする情報をWebサイトやブログに用意しておくことで、「その情報を必要とするユーザーだけに情報を提供していくこと」が可能になるのです。情報を求めていないユーザーには情報を押し付けることがなくなるため、嫌われてしまう心配もありません。
メリット3:口コミによる拡散が期待できる
SNSの台頭によって、近年はコンテンツが拡散されやすくなりました。特にBtoBマーケティングにおいても口コミによる情報は、広告よりも信頼性が高いと判断される傾向があるため、購買の意思決定に大きな影響を与える可能性があります。したがって、「価値のあるコンテンツ」が拡散されていけば、計り知れないメリットがあるといえるでしょう。
デメリット1:成果が出るまでに時間がかかる
一方のデメリットとしては、成果が目に見えるまでにある程度の時間を要してしまうことが挙げられます。コンテンツをより多くの検索ユーザーなどに閲覧してもらうためには、Googleなどの検索結果の上位に表示させるためのSEOなどが必要となります。
そのため、SEOのノウハウを補充したり、追加のコンテンツを制作したり、公開済の既存コンテンツを分析したりする時間が必要となります。
デメリット2:継続的に情報発信を行わなくてはならない
インバウンドマーケティングで多くの見込み顧客を獲得し、顧客へと変えていくためには、継続的なコンテンツ制作が欠かせません。ユーザーは常に最新の情報を求めていますし、SEO的にもコンテンツの蓄積が重要になるからです。そのため、継続的なコンテンツ制作に時間を割く必要があり、一定のコストも発生し続けることとなります。
BtoB企業がインバウンドマーケティングを進める際の手順
実際にBtoB企業がインバウンドマーケティングを進めていく際の手順について見ていきましょう。
1.目的・目標を明確化する
インバウンドマーケティングの施策を進める前に、まずは自社の目的を明確化する必要があります。主な目的として「リード獲得」「営業の効率化」「ブランディング強化」などが挙げられるでしょう。また、どのような成果をどれくらいの期間で求めていくのかという点についても、この時点で明確にしておくことをおすすめします。
2.ターゲットを設定する
ユーザーにとって価値のあるコンテンツを制作するためには、ユーザー側の視点になって「どのような情報を求めているのか」を明確化する必要があります。具体的には、ターゲットとなるユーザーの人物像を明確化し、その人物の抱える課題の解決策などを提案するための骨子などを作成します。これは、「ぺルソナ設定」などと呼ばれますが、以下の記事でも詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
参考:BtoBマーケティングにおけるターゲットの選定方法とは
3.シナリオを設計する
ぺルソナ設定が完了したら、「どのタイミングで、どのチャネルで、どのようなコンテンツを配信していくのか」といったシナリオを設計していきます。このタイミングでは、ユーザー鮮明な人物像をイメージして感情の変化を先読みして進めていく必要がありますので、先ほどのペルソナ設定の精度が重要となります。
4.コンテンツ制作
ターゲットが検索に用いるキーワードをもとに、コンテンツを制作していきます。ユーザーの興味・関心、見込みの度合いに応じてさまざまなコンテンツを制作していくと、より多くの価値を提供できるようになります。
5.効果の検証
インバウンドマーケティングは、ユーザーの反応を確認しなければ「目標を達成しているかどうか」を判断することができません。そのため、定期的な効果測定によって、ユーザーの反応を確認していくことが重要です。リードが再度訪問したり、既存の顧客をリピーターに変えたりするためにも、測定結果をその都度、施策に取り入れて改善していくPDCAサイクルを回す必要があります。なおPDCAサイクルの回し方などについては以下の記事でも詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
参考:BtoBマーケティング施策を成功に導く!課題可視化の方法とは
まとめ
今回は、インバウンドマーケティング施策に取り組むことで得られるメリットについてご紹介しました。従来までに主流とされてきたアウトバウンドマーケティングとは異なり、インバウンドマーケティングでは信頼関係が構築されていないユーザーに「商品の売り込み」を行うことはあり得ません。そのため、ユーザーに不快感を与えてしまう、または自社ブランドを毀損してしまうなどの心配も最小化されるでしょう。むしろ、情報を求めているユーザーだけにピンポイントで情報発信を行えるわけですから、極めて合理的なマーケティング施策といえるのではないでしょうか。
このようなインバウンドマーケティングを成功させるためには価値の高いコンテンツを継続的に制作していく必要があることもお分かりいただけたでしょう。しかし、コンテンツ制作に多くの時間を割くことができないという企業がほとんどです。
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