ユーザー行動とサイト導線の関係
サイト導線とは、ユーザーをサイト内で導くための仕掛けです。企業のサイトは、一定の意図をもって運営されています。マーケティングの役割を担うサイトであれば、ユーザーに起こして欲しいアクションがゴールとして設定されていることが多いのではないでしょうか。サイト導線は、ユーザーの動きをそのゴールへと誘う経路です。
「導線」と混同されがちな言葉には、「動線」があります。動線とは、ユーザーが実際に動いた道筋のこと。導線を考える時には、ユーザーの行動パターンを想定しながら設計していく必要があります。サイト導線を設計する際に、ユーザー動線を無視してしまうと思うような結果が期待できません。
導線がユーザー行動に従って最適化されているサイトは、企業側が意図する商品・サービスの購入や資料請求、問い合わせといったサイトの最終的なゴールにたどり着くまでの道順が分かりやすく設計されています。そのため、自動的にCVR(コンバージョン率)が高くなるのです。
欲しい情報を得るための行程が短縮されると、ユーザーのストレスは軽減され、高い満足度が得られます。サイト滞在時間を延ばし、成果にも結びつきやすくなるでしょう。一方で、サイト導線の整備されていないサイトは、欲しい情報へスムーズにアクセスできないため、ユーザーの離脱する率が高まってしまいます。
サイト導線をユーザーの行動にマッチさせるには?
サイト内をユーザーがストレスを感じずに移動し、最終的に企業側の狙い通りの行動をしてもらうには、どうすれば良いのでしょうか。そのためには、まず現在のユーザーの動きを知ることが必要です。自社のサイトに流入したユーザーが、その後どのような動きをしているのか、動線解析を行って明らかにしていきます。
サイトの目的によっても異なりますが、動線の解析では以下のようなことが分かります。
・サイトに入ったユーザーの何割が商品・サービスページに到達しているのか
・どのページからどのページに遷移するユーザーが多いのか
・ユーザーの何パーセントが主にどのような動きをしているのか
・迷わずに目的の商品ページまでたどり着けたか・否か
・最終的なゴールまでにかかる時間はどのくらいか
「どのカテゴリのユーザーが何を求め、どう動くのか」を知ることで、ユーザーの行動パターンを予測できるようになるでしょう。もちろん、各ユーザーの動線は同一ではありません。動線を集計することで、主流となるユーザーの動きをまとめていくことができます。
解析結果を基にユーザーを段階的に区分し、それぞれの状況下にあるユーザーに対して、「次にどのようなコンテンツを提供すれば、ゴールへと近づけるのか」を探っていきます。例えば、途中離脱が多く見られるページがある場合は、障害となっている原因を明確にしたうえで、コンテンツを改善したり、ページ自体のリニューアルを図ったりするなどの方策を考えていきます。
ユーザーの「動きやすさ」を考慮しながら導線設計をしていけば、ユーザーにとって居心地が良いサイトの構築が期待できます。
サイト導線の最適化でユーザーを正しく導くためのポイント
サイト導線を最適化しながら、ユーザーを正しくゴールへと導くための主なポイントは、以下の5つです。
始点と到達点の明確化
サイト内での始点とは、ユーザーが流入してくる地点です。最も主流となるのは、ランディングページでしょう。しかし、そのほかにもキーワード検索から入ってくるユーザーがいるかもしれません。流入の多い場所をピックアップし、そこから最終的に到達して欲しいページへの導線がうまく設計されているのかを確認します。
ユーザー層の明確化
ユーザー層を確定しておくことで訴求を含めた施策を決めやすくなります。これは、サイト全体の設計に言えることです。ペルソナの詳細な設定を行い、ユーザー層を明確化すれば、導線設計の精度向上に役立つでしょう。
ユーザーの目的
企業側の最終目的にとらわれすぎてしまうと、サイトを訪れるユーザーの目的を忘れがちになりかねません。ユーザーによってサイト訪問の理由は、以下のようにさまざまで、内容によって動線が変わります。
・気になる情報を確認したいのか
・ある程度の知識があるが、さらに詳しく知りたいのか
・商品やサービスの購入を目的としているのか
先に紹介した動線解析からユーザーの目的に合わせたコンテンツを提供することで、信頼性を高め顧客化へとつなげていくことが期待できるでしょう。
サイト内の動きの予測
動線解析を参考に、「ある地点にいるユーザーは次に何を志向するのか」について、動きを予測していきます。上記の目的とも関連しますが、ユーザーの動きを予測することでストレスを与えない導線設計が実現できるでしょう。
ユーザー目線での設計
導線を成功させるためには、ユーザーの視点の置き方に配慮した設計が大切です。必要な情報へと進むためのクリック・タップボタンの配置、読んでいる記事内の言葉に対するリンクのニーズなど、常にユーザーの立場を意識することで、有効な導線の作成ができます。
自然派レストランのサイトを例に、考えてみましょう。このレストランは、ファミリー層を対象としていますが、売りは安全・安心にこだわった食材で作る料理です。ターゲットとなるのは、20代後半~40代の子育て世代。ユーザーの目的は、「レストランの予約」「提供されるメニューの内容や食材についての情報」「価格帯」「店舗情報」などです。
この場合、店舗側の最終的なゴールは予約ページとなります。しかし、経営方針や安全な食材へのこだわりを良く知ってもらったり、認知を広めたりすることも目的の一つです。そこで、以下のように大きな導線を2つ設定する方法が考えられます。
1つ目の導線 |
予約に向かわせるラインで、店舗情報・現在の提供メニュー・予約方法などがすぐに分かる設計 |
2つ目の導線 |
食材へのこだわりや未来を担う子どもの健康にからめた記事コンテンツへの導線 |
それぞれの目的に沿ってコンテンツの詳細や、優先する情報の順位を決めて導線設計をしていくことで、ユーザーに興味を失わせず、最終地点まで誘導していくことが期待できるでしょう。
まとめ
サイトは、「立ち上げて終わり」「公開すれば良い」というものではありません。企業のサイトには、企業利益に貢献する強力な集客および、マーケティングツールという大きな役割があります。成約や問い合わせなど、ユーザーからのアクションを引き出すには、サイト内の導線整備が重要です。サイト訪問者が迷いなく目的のコンテンツへとたどり着き、自発的に次の行動を起こせるようなサイトが理想でしょう。
株式会社北斗社では、BtoB企業販促コンテンツの企画・制作サービス「コンテンツマネジメントサービス」を提供しています。ユーザー目線で効果のあるサイト導線の設計をはじめとし、企画からサイト構築までをお手伝いいたします。サイトからの成果が今一つ実感できないなどお悩みの際には、ぜひお気軽にご相談ください。
→お問い合わせはこちらから