コンテンツマーケティングの歴史
そもそも、コンテンツマーケティングはいつ頃から企業に導入され始めた手法なのでしょうか。コンテンツマーケティングが国内の大手企業を中心に導入され始めたのは2015年頃とされていますが、実は古くから使われていたマーケティング手法なのです。
その始まりとされているのは、100ドル札に描かれていることでも有名なアメリカの偉人、ベンジャミン・フランクリンが、自身の会社の認知度アップを目的に創刊した「Poor Richard’s Almanack(邦題:貧しきリチャードの暦)」という雑誌です。
この「Poor Richard’s Almanack」は、1732年から25年間にわたり発行された日めくりカレンダー風の雑誌であり、毎日異なる格言が掲載されていました。「リチャード」という貧しいキャラクターを活用し、「勤勉」や「倹約」などをより身近な人間の言葉として捉えてもらえるような工夫がなされていたといいます。
コンテンツマーケティングによる情報発信の手法
日本では2015年頃から浸透してきたコンテンツマーケティングですが、その手法は複数存在しています。特に代表的な次の2つの手法を詳しく見てみましょう。
オウンドメディア
コンテンツマーケティングにおいて最も王道の手法といえるのが、オウンドメディアです。オウンドメディアとは、自社で保有するメディアの総称であり、一般的には自社で情報発信を行うブログのようなサイトを指します。
そんなオウンドメディアでは、記事をWebサイト上に公開し、蓄積させることで、Google等の検索エンジンからの流入を増加させることが可能です。また、戦略次第では、その記事を活用してSNSからの流入を獲得することもできるでしょう。つまり、広告の出稿によって集客力を高めるのではなく、「自然検索からの流入」という形で集客力を高められるということです。
当然、記事を自社で制作するだけであれば広告費は発生しませんので、長期的に見て広告費を抑えられるという点は大きなメリットといえるでしょう。
ホワイトペーパー
BtoBの企業で多く活用されているのが、ホワイトペーパーによるコンテンツマーケティングです。ホワイトペーパーとは、業界の情勢や、有効なノウハウなどをまとめた資料のことを指します。自社サイト内にホワイトペーパーのダウンロードフォームを設置し、企業名やメールアドレスなどを入力してもらうことで、リスト獲得につなげていくという方法が一般的です。
通常の問い合わせフォームを設置するだけでも、リスト獲得につなげられる可能性はありますが、「わざわざ問い合わせを行うほど興味があるわけではない」という見込み顧客の獲得にはつなげられません。その点、ホワイトペーパーを活用すれば「将来的に顧客となる可能性がある訪問者」をより多く獲得できるようになるというわけです。
効果的な情報発信の方法とは
コンテンツマーケティングにおける情報発信の方法は数多く存在するため、一概にどれが正しいと断定することはできません。ただ、より効果的な情報発信を行う上では、ブログ等のストック型メディア(オウンドメディア)の構築が有効といえるでしょう。作成した記事一つひとつが検索エンジンからの「集客窓口」となる上に、価値のある情報発信によって信頼関係を構築していくことで、より適切な見込み顧客にだけサービス(製品)を販売していくことが可能になるからです。
これまでは、テレビCMなどのマス広告やテレアポ型セールスといった「売り込み型」の宣伝手法が一般的とされていました。しかし、そもそもそのサービス(製品)に興味を持っていない人からすれば、その売り込みがプラスの印象となる可能性は高くありません。つまり、企業のブランディングに悪い影響を与えてしまう可能性もあるということです。
また、近年はインターネットが普及したことにより、ユーザーが自ら情報を検索することが可能になりました。そのため、わざわざ企業からの売り込みがなくても「自分が求めるサービス(製品)」を容易に見つけられる環境が整ってきているのです。
そのような背景もあり、最近では、インターネットを活用して自ら情報を検索するユーザーに対し、「適切な情報」を発信していくメディアの重要性が高まっていています。オウンドメディアを活用したコンテンツマーケティングは、まさにその「ユーザーにとって適切な情報」を発信する上で最適な手法といえるでしょう。
コンテンツマーケティングの将来
オウンドメディアを活用したコンテンツマーケティングは、ユーザー自身が必要な情報を検索できるようになった現代にマッチしているということがお分かりいただけたかと思います。では、そのコンテンツマーケティングにはどの程度の「将来性」があるのでしょうか。
日本よりも早くコンテンツマーケティングが広まったアメリカは、Googleトレンドを見る限りでは2018年に一旦落ち込んでいるものの、その後再び上昇し始めています。
しかし、Googleトレンドで日本におけるコンテンツマーケティングの勢いを見てみると、2016年頃にピークを迎え、その後は少しずつ落ち込んでいることが分かるのです。
この結果だけを踏まえると、多くの方が「コンテンツマーケティングには将来性がないのではないか」と考えるかもしれません。実際、大手企業の中にはコンテンツマーケティングから撤退している企業も存在します。しかし、コンテンツマーケティングで成功を収めている企業も多く存在しているということを忘れてはなりません。
先ほどもご紹介したように、近年はインターネットが普及し、ユーザー自身が自分の求める情報を検索できるようになりました。そのため、よりオウンドメディア等を介した価値のある情報発信が有効性を高めているわけです。
しかし、コンテンツマーケティングに取り組む企業の中には、目先の利益を追求するあまり、集客力を高めることにフォーカスした記事制作を行ってしまう企業も存在します。Google社が高く評価するのは、あくまでも「ユーザーが価値を感じるコンテンツ」であり、「集客することにフォーカスした記事」ではありません。その本質を見失ってしまった企業ほど、コンテンツマーケティングに失敗しやすくなってしまうのです。
実際にコンテンツマーケティングで成功し続けている企業も多く存在することを踏まえれば、「適切ではない手法でコンテンツマーケティングに取り組み失敗する企業」の増加が、コンテンツマーケティングの勢いを落とす要因の一つになっているのではないでしょうか。
逆に、「ユーザーにとって価値のある情報が多く掲載されたオウンドメディア」を構築するための戦略が適切なものであれば、コンテンツマーケティングで長く成功を収められる可能性も高いと考えられます。したがって、これからコンテンツマーケティングに着手する企業にとっても有効な手法であるといえるでしょう。
まとめ
今回は、コンテンツマーケティングの将来性や有効性について詳しくご紹介しました。ユーザー自身が必要な情報を検索できるようになった現代において、価値のある情報発信を軸としたコンテンツマーケティングはマッチしていることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
しかし、集客にフォーカスした記事が掲載されているような、ユーザーファーストではないオウンドメディアの場合、コンテンツマーケティングが失敗に終わってしまう可能性も高くなります。そのような失敗を避けるためにも、適切な戦略によってコンテンツマーケティングを進めていくことが重要になるでしょう。
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