インバウンドマーケティングとコンテンツマーケティングの違い
インバウンドマーケティングは、「顧客から見つけてもらう」を主な目的としています。たとえば、オウンドメディア(Webサイト)やブログ、SNS、メールマガジンなどの媒体を活用し、ユーザー(潜在的な顧客)とのコミュニケーションを深めていくことが、インバウンドマーケティングに該当します。一方で、ダイレクトメールや営業電話といったセールス手法は、プッシュ型とも呼ばれる通り、インバウンドマーケティングには該当しません。
また、コンテンツマーケティングは、価値のあるコンテンツを発信してユーザー(見込み顧客)との繋がりを深めるためのマーケティング手法です。ユーザー(見込み顧客)をナーチャリング(育成)して、顧客化させていくための戦略とも言い換えることができます。
このように、どちらとも「継続的に価値のある情報を発信すること」には変わりがありませんので、同じ意味の言葉として捉えられるケースも少なくありませんし、明確な違い(定義)が存在するわけではありません。
あえて区別するのであれば、インバウンドマーケティングは潜在的な顧客を顧客化し、さらにリピーターへと育てていくまでの「プロセス」であり、コンテンツマーケティングは見込み顧客を顧客化していくための「手法」であると言えます。
インバウンドマーケティングのメリット
では、インバウンドマーケティングを行うことによって、どのようなメリットが得られるのでしょうか。代表例を2つご紹介します。
メリット1:企業からのメッセージを伝えやすい
インバウンドマーケティングは、GoogleやYahoo!といった検索エンジンを介してユーザーに見つけてもらう段階からスタートしますので、初めからサービス(製品)を売り込む必要はありません。そのため、広告らしい訴求をせずに、より自然にユーザーとの信頼関係を構築していくことができます。また、広告らしさを抑えることによって、企業からのメッセージをユーザーに聞き入れてもらえる可能性が高まるでしょう。
メリット2:ユーザーとのコミュニケーションが価値を生む
前述の通り、インバウンドマーケティングではダイレクトメールや営業電話などによる一方的な情報提供ではなく、ブログやSNSによってユーザーとのコミュニケーションを深めていきます。たとえば、短期的な売上よりも、中長期的にサービス(製品)を改善させていくことを重視する場合、ユーザーとのコミュニケーションによって得られた情報は改善のための貴重なマーケティングデーターとなるでしょう。ユーザーの評価などを幅広く把握していけば新たな価値が生まれる可能性が高まるでしょう。
コンテンツマーケティングのメリット
一方、コンテンツマーケティングのメリットとしては、以下の2つが挙げられます。
メリット1:コンテンツが資産となり継続的な集客を実現
コンテンツマーケティングでは、オウンドメディア(Webサイト)やブログなどで公開したコンテンツが資産として蓄積されていきます。こういったコンテンツは一般的に「ストック型コンテンツ」と呼ばれ、ユーザーのニーズを満たすコンテンツであれば、手をかけずとも継続的な集客が実現します。特にGoogleやYahoo!などのキーワード検索において、「ロングテールキーワード」と呼ばれる、恒常的に検索され続けているキーワードをユーザーが検索した場合に、自社のコンテンツが上位表示されている場合、より多くの集客が実現するでしょう。そして、そのコンテンツを介してユーザーの信頼を獲得していくことができれば、自社のブランディングなどにも繋がっていくでしょう。
メリット2:潜在的な顧客を見つけやすい
自社のターゲットとなるユーザーは、必ずしも「すぐにこのサービス(製品)を購入したい」と考えているわけではありません。他のサービス(製品)と比較検討している準顕在層や、そもそも課題の深刻度が高くない潜在層などに分類されます。これらの各層の目線に適したコンテンツを発信することによって、ユーザー自身さえも気付いていないニーズを掘り起こすことができれば、自社のサービス(製品)に関心を持ってもらえる可能性は高いでしょう。
インバウンドマーケティングの手順
では、実際にインバウンドマーケティングに着手する場合、どのような流れで進めていけば良いのでしょうか。主な流れをご紹介します。
1.認知の獲得
まずは、ユーザーに見つけてもらうためのコンテンツを制作します。ユーザーがどのようなニーズや悩みなどを抱えているのかを想定し、「どのようなキーワードで検索するのか」を明確にします。そのため、ターゲットとなるユーザーのペルソナを設定して、よりターゲット像を具体化すると、発信すべきコンテンツの内容も決定しやすくなるでしょう。
「ペルソナ設定」のコツなどは以下の記事でも詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
https://contentsmanagement.jp/hokulog/contentsmarketing-user-post-650/
2.理解の促進
ユーザーがコンテンツを閲覧した段階では、まだそのユーザーは潜在的な顧客であるため、見込み顧客へと育成していきます。また、ゆくゆくは氏名やメールアドレスといったユーザーの個人情報を取得することによって、インバウンドマーケティングの効果を高めることができますが、そのためにもユーザーとの信頼関係の構築が欠かせません。たとえば、疑問や悩みの解決を助けるようなコンテンツを無償で提供し、さらに深い情報を提供するメルマガや、ホワイトペーパーなどに促していくことによって、自然とユーザーとの距離が縮まっていくでしょう。
3.ユーザーの意思決定
提供してきたコンテンツをユーザーが信頼してくれるようになれば、自社のサービス(製品)に対する興味にも繋がりやすいでしょう。この時に、自社のサービス(製品)を選んでもらう段階へと進みますが、メールマガジンなどによって、適切なタイミングで情報を発信すれば、よりサービス(製品)への理解も得やすくなるでしょう。たとえば、既にサービス(製品)を導入している顧客の事例を公開したり、初回の無料体験などを提供したりするのは効果的でしょう。
4.顧客のファン化
ユーザーが自社のサービス(製品)を選んでくれ、顧客化したとしても、それがゴールというわけではありません。継続的に顧客へのサポートやフォローを行っていくことによって、顧客との中長期的な取引きが実現するのです。また、顧客限定のコンテンツを提供したり、顧客からの問い合わせ時の対応を手厚くしたりすることによって、より信頼関係が深まり、顧客がファン化していくことが期待できます。そのようにして、ファン化した顧客の満足度が高ければ、クチコミなどによって新たな顧客を生む連鎖が期待できるのです。
まとめ
ユーザーを顧客化し、ファン(リピーター)へと育てていくためには、インバウンドマーケティングやコンテンツマーケティングが効果的であることをお分かりいただけたのではないでしょうか。しかし、それらの実践経験が少ない企業の場合、どのような戦略でコンテンツを制作すべきかなどに悩んでしまうこともあるでしょう。そのような場合は、専門知識を持つ企業にサポートを求めるのも一つの手段です。
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