サイト導線とは
サイト導線とは、サイトに訪れたユーザーをコンバージョンに促すための想定経路です。コンバージョンとは、企業が目的とするアクションに至った状態を指します。商品の購入や資料請求などサイトによってコンバージョンは、大きく異なるのが一般的です。目的達成までの道筋を総じて導線といいます。
よく混同されやすい言葉に「動線」があることをご存じでしょうか。ウェブサイトにおいては、設計段階にユーザーの行動経路を想定して作るものが「導線」、サイトに訪れたユーザーが実際に取った行動を「動線」と使い分けます。
なぜサイト導線が離脱率に影響するのか
少し検索するだけでも分かるように、ウェブ上には膨大な情報があふれています。その中で、ユーザーは各ページの情報をじっくりと見ることはありません。記載されている情報を一目見て、自分にとって意味のあるものかどうかを瞬時に判断します。
サイトの導線が悪いということは、ユーザーが知りたい情報をパッと見つけられない状況になっているということです。知りたい内容が載っていないサイトは、ユーザーにとって見る価値のないサイトと判断されるため、離脱につながりかねません。
そのため、適切に導線が設計されていないサイトでは、ユーザーの離脱率が高まり、コンバージョンの発生件数も少なくなります。
サイト導線が悪く離脱されやすい状況
導線が悪く、離脱されやすいサイトには、以下のような特徴があります。
・事業者本位の情報しか記載されていない
・商材の魅力が適切に訴求できていない
・知りたい情報があるページへたどり着けない
・ページスピードが遅い
事業者本位の情報しか記載されていない
サイトに載せる情報を検討する際、どうしても事業者として伝えたい内容を優先してしまいます。例えば、「サービスへかける思い」「事業者視点でのこだわり」というものは、ユーザーからすれば興味が薄い内容かもしれません。サイトを利用するのは、あくまでユーザーです。そのため、ユーザーのニーズに応えられるような情報を記載する必要があります。
商材の魅力が適切に訴求できていない
どれだけ素晴らしい商材を扱っていても、その魅力をユーザーに訴求できなければ、購買につながることはありません。例えば、業界随一の性能を誇るスマートウォッチの素晴らしいスペックばかりを訴求したところで、購買につながる可能性は低いでしょう。その製品を身につけることで、生活がどのように変わるのかを伝えることで、ようやくユーザーに興味を持ってもらえます。
ユーザーの目的は、機能性の高い製品を購入することではなく、その製品を通じて何かしらの課題を解決することです。そのため、単に機能性の高さを伝えるだけでは、製品の魅力が伝わりにくいといえるでしょう。
知りたい情報があるページへたどり着けない
重要なページであるにもかかわらず、トップページから3クリックも4クリックもしないとたどり着けないようなサイトは、適切な導線とはいえません。このような状況では、ユーザーが知りたい情報を見つけられないだけでなく、事業者としても伝えたい内容を適切に届けることが難しくなります。
また、「サイト内のどこに、どんな情報があるのか」が分かりづらいサイトは、ユーザーの評価が損なわれるだけでなく、SEO視点でもマイナス評価を受ける可能性が高いです。つまり、各ページへの遷移性が悪いと、ユーザーとSEOの両者において、機会損失を続けることになります。
ページスピードが遅い
サイトのURLをクリックしてから、画面に表示されるまでのスピードは、離脱率に大きく影響します。参考までにGoogleでは、ページスピードと離脱率の関係について、以下のように記しています。
・ページの読み込み時間が1秒から3秒になると、離脱率が32%上がる
・ページの読み込み時間が1秒から5秒になると、離脱率が90%上がる
・ページの読み込み時間が1秒から6秒になると、離脱率が106%上がる
・ページの読み込み時間が1秒から10秒になると、離脱率が123%上がる
つまり、ページスピードが遅いほど、本来見てもらえるはずの情報を届けることができず、大きな機会損失につながります。
離脱率を下げる導線設計のポイント
サイトに訪れたユーザーが離脱するのは、ユーザーから必要のない情報と判断されている可能性があります。また、どれだけ魅力的な訴求ができていたとしても、サイト構造やユーザビリティーが悪いことが原因で、離脱につながっているのかもしれません。
離脱率を下げるために導線設計をするのであれば、ユーザーの負担となるポイントを一つずつ解消していくことが大切です。ここでは、導線設計をするうえで、重要なポイントを3つご紹介します。
商材やサービスに魅力を感じるユーザー像を具体的にする
導線を設計するうえで初めに考えるべきことは、サイトに訪れるユーザーがどんな人であるか明確にすることです。顧客管理ツールを提供している企業で考えてみましょう。
例えば、顧客管理ツールを求める企業の中には、登録した情報をもとに営業に役立つ戦略を作りたいと考える人もいれば、MAツールとしての機能を必要としているケースもあるでしょう。このように、単に顧客管理ツールといっても、ユーザーが求めるものは異なります。
ユーザーの求めるものが違えば、適切なサイトの構成や導線も当然変わってくるため、サイト導線を設計するうえで、はじめにターゲットとなるユーザー像を具体的にすることが欠かせません。
問い合わせにいたるまでに必要な検討材料を洗い出す
ターゲットが明確になった後は、ユーザーが問い合わせにいたるまでに必要な検討材料を洗い出します。ユーザーからお問い合わせをいただくために、商材の機能性について訴求するだけでなく、企業としての安心感や信頼性を伝えることも大切です。例えば、実際の利用者にインタビューした記事を掲載すれば、商材を利用する後押しになるでしょう。
ユーザーが問い合わせをするまでに、どんなことに不安を感じるのかを洗い出し、それらを解消できる情報を掲載することで、適切な導線に近づきます。
ストレスなくページ遷移できる設計になっているか確認
サイトに必要な情報が決まった後は、それをどのように配置するか検討します。ここで大切なことは、情報の役割を意識することです。例えば「お客様の声」のように、実際の利用者の意見をまとめた情報は、問い合わせ数を増やすために効果的ですが、その役割はあくまで最後のひと押しです。
そのため、商材自体の魅力を訴求したうえで、お客様の声へと誘導する必要があります。また、ユーザーが知りたい情報がどこにあるのか、一目で分かることも大切です。ナビゲーションを用いるなど、瞬時に判断できる設計を心がけましょう。
まとめ
サイトの離脱率を課題に感じているのであれば、導線を見直すことで改善できるかもしれません。特に、今回ご紹介した「離脱されやすい状況」に該当するのであれば、優先して改善することをおすすめします。
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